場所は大手町、ビジネス街のど真ん中に、広々としたテラスを持つ、スペインバルが登場した。その名は「カラオラ」。リオハ州の街(村)の名である。都会の中に、カラオラの市場のような、一角を作りたいと思ったから、だそうだ。 バルとは言いながら、そのコンセプトはきちんとした料理を楽しめるレストランである。ワインとのマリアージュを提案するメニューや、バレンシア米を使ったパエリアなど、素材にもこだわる。 大手町という場所柄、女性も多いが男性の利用も多く、ゆっくりと食事を楽しみながらワインやお酒を楽しむことができる。 やはり、カラオラの一番の特徴は、店のファサードが天井の高い広々としたテラスに向いているところだろう。テラスには店占有のテーブル席もあるが、一階から地下一階へ向かう階段さえも観客席として機能しそうな、円形劇場のようなテラスなのである。 テラスでは色々なライブも企画され、近々には、10月6日に「東京・大手町 フラメンコ・フェスティバル」が開催予定。フェスティバルのプロデュースは、ギタリストの池川寿一さんによるもの。『プロによる本格フラメンコライブ』『フラメンコ体験ワークショップ』『愛好家による演目披露』と盛り沢山の3部構成。3部でセビジャーナスを踊ってくれる方を絶賛募集中である。 お話を伺ったオーナーの加瀬健一さん、新しいレストランをプロデュースする他、新たなイベントも企画中。「何をやるかというよりは、自分は何をやらないか、ということにこだわる」という。「このお客様に二度と合わないとしても後悔がないか?」と問い続けながらの企画が、新たなスペイン料理とフラメンコの発信地となるのかもしれないと予感させる。 ライブも定期的に行う予定とのこと、大手町のスペイン料理とフラメンコを楽しみに、我々もぜひ一度、出かけてみようではないか。 Calahorraカラオラ 東京都千代田区大手町2-3-1 大手町プレイス ウエストタワー B1F電話番号:03-6910-3922営業時間:月・火・水・木・金 11:00〜14:00 L.O. 13:3017:00〜22:00 L.O. 料理20:30 ドリンク21:30定休日:土・日・祝日●フラメンコ等のライブ情報はこちらからhttps://www.instagram.com/calahorraotemachi/10月6日(月)東京・大手町 フラメンコ・フェスティバルhttps://vivafla.jp/20251006fes/
銀座のコリドー街に、広々とした空間のスペイン料理店が登場したのは令和4年10月のこと。「BROWNSTONE」とは赤褐色の砂岩であり、その名からインスパイアされた。スペイン料理を携え日本に初上陸、「BROWNSTONE」は世界展開を目指しているという。 広い店内は、スペイン南部のイスラムを思わせる装飾やタイルで彩られ、壁にはフラメンカの絵画も。カラフルで情熱的、そしてエキゾチックなムードでスペイン料理を楽しむことができる。 2人のスペインのシェフによる料理も本格的。一から取った出汁を使い、豊洲の魚介を使ったパエリアはもとより、工夫を凝らした演出のタパスも目に楽しい。味に関してはスペインのみならず、アジアの調味料をアレンジしたりと、グローバル感のあるメニュー開発にも積極的である。 ゆっくり着席できるテーブル席と、お洒落なカウンター席。天気の良い日は、窓際がオープンテラスにもなり、人数や時間帯などで様々な利用ができるだろう。 ドリンクもスペインを始め世界のワインを用意。サングリアも季節のフルーツが散りばめられてオシャレである。手作りのデザートでは、バスクチーズケーキがおすすめ。ふわふわでとろける食感を提供するため、その日に作ったものだけの数量限定だそうだ。 そして特筆すべきは、週末(金・土曜日)夜の無料フラメンコライブだろう。バイラオーラが客席を回り楽しませてくれる。一緒にセビジャーナスを踊ってもOK。ちょっとした旅行気分も味わえる。 利用に関しては、パーティ企画や、パーティでのフラメンコアルティスタの手配なども相談可能。さらには昼間であれば自主ライブ企画などについても相談に乗ってくれるそうだ。 今後も東京に、全国に、そして世界にとブランド展開を目論む「BROWN STONE」。ぜひ、私たちも一緒に楽しみながら、応援させていただきたいと思うのである。 BROWNSTONE Tapas Bar GINZA(ブラウンストーン タパスバー 銀座) 〒104 -0061東京都中央区銀座7丁目2-18 銀座グランベルスクエア101電話番号:03-6263-9529営業時間:17:30〜00:00(L.O. 料理23:00 ドリンク23:30)※金 17:30〜02:00(L.O. 料理23:00 ドリンク01:30)※土 11:30〜14:30(L.O. 14:00)/17:30〜02:00(L.O. 料理23:00 ドリンク01:30)※日・祝日・祝前日・祝後日 11:30〜14:30(L.O. 14:00)/17:30 〜 00:00(L.O. 料理23:00 ドリンク23:30)定休日:月曜(月曜が祝日の場合は火曜が振替休日)
ビキニは東京都内に3店舗、仙台に1店舗を展開する。 このブランドを監修するのは、ジョセップ・バラオナ・ビニェス氏。小笠原伯爵邸のオープン時のシェフであり、「スペイン・カタルニア地方の伝統的な料理をカジュアルに楽しめるスペインレストラン」というのが「ビキニ」のコンセプトだ。 ジョセップ氏が得意とする色とりどりのピンチョスや、素材のよさをいかしたシンプルで本格的なスペイン料理を、実現するのは、ビキニピカールのスタッフたち。 その一人であるシェフの坂井さんにお話を伺った。 「やはり、ジョセップ氏の考えるコンセプトを、料理として再現するのに、スタッフ達にどのように落とし込んでゆくか、については1番心を砕くところです。」と坂井さん。メニューは、ジョセップ氏の監修に加え、坂井さん達の意見も取り入れながら、作り込んでいくのだそうだ。季節ごとに開発される新たなメニューも楽しみである。 料理がカラフルで綺麗、盛り付け方もとても楽しいですよね、との筆者の感想に、「ジョセップ氏はピンチョスを得意としており、日本は野菜の種類も多いので、色彩の表現には特にこだわっているところです。」とのこと。もちろん、肉料理やパエリアなどの食事も得意、レストランとしてのこだわりも感じられる。 お供のドリンク類も豊富。カジュアルなスペインワインから、一度飲んでみたいものまで。「ソムリエの秘蔵ワイン」というお楽しみもあるそうなので、ぜひお声がけを!スペインの生ビールや、シェリー、シードル、カクテルもラインナップ。料理に合わせて楽しみたい。 日本橋は大人の街といった印象。オフィスも多いが、百貨店でショッピングを楽しむ客など年齢層は幅広く、落ち着いてゆっくり食事をするのにはぴったりな街だろう。コレド室町というビル内にあり、定休日は元旦のみ。オープン時間も11時から23時までという点も、利用する側にとっては大変ありがたいところ。 今後も、いろいろなメニューや展開を構想中とのこと。これからも楽しみなビキニピカール、日本橋のスペイン料理店を、ぜひ選択肢の一つに加えていただきたいと思うのである。 BIKiNi PICAR 〒103-0022東京都中央区日本橋室町2丁目2番1号 コレド室町 2FTEL:03-6202-3600営業時間<ランチ>11:00~(L.O.15:00)<ディナー>15:00~23:00(フード21:00 L.O.、ドリンク21:30 L.O.)
バル ポルティージョは、目黒川沿いの道から代官山方向へ入ったところにある、中目黒の店である。平日歩けば、静かな中目黒。カジュアルなスペインバルだが、友人と、会社帰りに、デートで、と、どんな目的にもぴったりの場所である。 「ポルティージョ」とは「小さな扉」の意。「ドアを開けばもうそこはスペイン」というコンセプトのもと、スタッフたちが明るく、気さくに迎えてくれる。 オーナーは、代官山アロセリア・サルイアモールや、銀座ラパンサ、バル・ポルティージョ・デ・エスパーニャ丸の内店のオーナーでもある、ビクトルガルシアさん。青山の老舗レストラン、エル・カステリャーノの創業者、ビセンテ ガルシアさんを父に持つ。 幼い頃からレストランに触れていたこともあり、外で食事をする特別感や、スタッフとの楽しいやりとりなど、それら全てが「日常」の中に、「非日常」として記憶に残ると体感した。彼が目指すのはそんな「非日常」を感じてもらえる店づくりだ。 スペインでは、「朝バルに寄ってから、仕事へ。昼食を食べに寄って、さらに夜はお酒を飲みに…」と日に何度もバルに顔を出すという。そこにはコミュニティが存在し、生活に溶け込んでいる。バル ポルティージョが目指すのもそんな店作りだ。(朝はやっていないがランチ営業あり!)この店に入るとウキウキした楽しい感じがするのだが、それを感じるのはまずスタッフから。そつのない対応はもちろんだが、みな楽しそうに仕事をしているのが印象的だ。 そしてメニュー。スペインを感じる定番とともに、季節ごとに変わるメニューは、シェフ、スタッフ、オーナーで開発するそう。スペイン製のチーズや生ハム、材料にこだわっているのも嬉しいポイントだ。 そしてパフォーマンス。バスク地方の白ワイン「チャコリ」を頼んでみよう。スタッフが、頭上から手元のグラスヘと、一気に注いでくれる「エスカンシア」という手法。チャコリの酸味を和らげ飲みやすくするのだという。 日常から非日常へ。もし、ちょっとスペインに行きたくなったら、この店の扉を開けてみるのも良さそうである。 Bar Portillo(バル ポルティージョ) 東京都目黒区青葉台1-19-12 エスセナーリオ青葉台 103TEL:050-1720-5522営業時間火・水・木・金 12:00〜15:00 17:00〜22:30土・日・祝日 12:00〜22:00平日月 定休日(祝日は営業)ランチパエリアL.O 14:00 ディナーアラカルトL.O21:3012/30(月):L.O.20:00 21:00閉店、1/5(日):ランチ休み、17:00~ディナーのみ営業12/23(月)、12/30(月)、1/6(月)は臨時営業
ロシクレールとは、朝焼けの淡いピンクを意味する。ピンクの空の色が、海に映る風景をイメージして、店名を名付けたそうだ。カウンター席の壁の色は、それを思わせるようなピンクで、間接照明が幻想的な気分を演出している。 牛込柳町の交差点から1本入った、小さな通りにあり、住宅街の落ち着いた雰囲気の中、ゆったりとした気分で食事をすることができる。 オーナーシェフの大野さんは、もう一軒、東中野にスペインバル「アスタルエゴ」のオーナーでもある。両店とも少し静かな住宅街にあり、立地的な環境は類似しているという。大きな違いは、何より「ロシクレール」が魚介専門のスペイン料理であるところだろう。 その由縁の一つは、大野さんが学生の頃からスペインに魅せられ、特にガリシア地方に魅力を感じていたこと。もう一つは、アスタルエゴのシェフの出身地でもあった、能登の魚介に魅せられたから。「魚介はもとより、能登には他にも美味しい食材がたくさんあるんです。」と語る大野さんは、とても楽しそうである。「ロシクレール」のロゴも「タコ」を思わせるRの文字がデザインされている。 メニューも、こんなにたくさんの魚介の楽しみ方があったのか!と思うほどのバリエーションである。「海のチーズとハム」という一品もカラスミと魚のハムの組み合わせだ。馴染みのあるプランチャ(鉄板焼き)やアヒージョ、カルドソ(おじや)なども存分に季節の魚介を楽しめる。大野さんによれば、彼の料理はスペインと日本の融合「エスパニョーラ」ならぬ「ハポニョーラ」であるという。私たちにとっては一皿一皿が美しい、新しい魚介のスペイン料理との出会いではなかろうか。 昨年10月にオープン、その後に能登半島地震が起きた。少しでも復興になれば、との想いを語る大野さん。「『能登牛』などもとても美味しい。『カルネリア(肉専門レストラン)』としてもやってみたいと思う。できたらですが(笑)」とのこと。夢と想いの融合だ。私たちも復興と、夢がいつか実現することを願って、応援したいと思うのである。 Rosicler(ロシクレール) 東京都新宿区市谷柳町25‐11 F&Ssビル 1F営業時間: 水・木・金・祝前日・祝後日 17:00 - 23:00(L.O.料理22:00 ドリンク22:30)土・日・祝日 12:00 - 15:00(L.O. 14:30)、17:00 - 23:00(L.O. 料理22:00 ドリンク22:30)定休日:月・火T E L:03-6457-5996https://www.instagram.com/rosicler_1025/