浦安に「美味しい」スペイン料理店があるというので訪れた。この辺りで「スペイン料理店といえばココ」だという。 駅からすぐ、静かな小径の奥にラ ピカーダ デ トレスはあった。扉を開くと、右には酒瓶が並ぶバーカウンター、左は落ち着いた感じのテーブル席。都心にこそスペイン料理店は増えた感があるが、住宅圏でのレストランは未だ、お目にかかれないものである。 重厚な木の天井のダイニングは、落ち着きを感じさせ、居心地が良く、ゆっくりと食事ができる。また、酒類の種類が豊富で、ビール70種(世界15か国)、ワイン350種(地下にワインセラー有り)、ウィスキーなど。日本酒と焼酎以外は何でも、というから驚きだ。 自慢の料理は、10種類ものパエリア(3種ほどは季節で変わる)と蝦夷鹿などのジビエ料理。そのほかにも多種多彩なスペイン料理が供される。メニューの多さは、リピーターには嬉しい。また、食事会、仕事帰りの飲み会、男性同士、女性同士、家族でと、様々なシチュエーションに対応可能であるのもありがたく、ここ浦安で13年と長く愛されてきた所以だろうと思う。昼も3種のランチが用意されていて、気軽にパエリアなどを楽しめる。 奇数月の最終日曜日には、フラメンコライブが催される。そのライブ開催も40回を越えたそうで、すっかり定着している。 ファルーカ読者には嬉しい、貸し切りも可能。コンパネなども貸してもらえるそうなので、自主ライブなどを企画してみては? 場所代は不要、1人5000円から2時間。ミニマムフィーの設定があり、夜は平日10万円、金土日は15万円からだが、日曜日のランチ貸切は3万円からとお得。 けっこう地の利の良い浦安、たまに訪ねるのも良いかな、と思える店である。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− La Picada de tres(ラ ピカーダ デ トレス) 千葉県浦安市当代島1-3-10 TEL:047-355-6209 東京メトロ東西線 / 浦安駅(西口) 徒歩2分 ランチ [日・月〜土]11:00〜15:00(L.O.14:00) ディナー[木・金・土]18:00〜翌05:00(L.O.04:00) [日・月・水]18:00〜翌03:00(L.O.02:00) 定休日:火曜日 ※火曜日定休日ですが、貸切の場合のみ営業。お気軽にお問い合わせください。 ホームページ:https://lapicadadetres.com
フラメンコを踊る者にとって、一番大切な道具は靴だろう。大切な靴と、長く付き合うために欠かせないのが「手入れ」だが、修理可能か?どこに出せば?などの悩みも多いのではないだろうか。 リペアショップアースは、そんな私たちの相談に乗ってくれるありがたい存在だ。27年前に創業、2年ほど経って初めてフラメンコシューズが持ち込まれてからずっと、あらゆる修理に対応しているという。 軽症なものは、「キズを目立たなくする」「滑り止め(ハーフソール)の張り替え」などから「ベルト修理(ベルト自体の交換も可能)」「ベルトのビラゴム交換」「釘修理」なども。あらゆる症例がファイルに記録されていて、その説明を聞きながら、相談にのってもらえる。 重症例は、ちょうど土踏まずのあたりに入っている金具が折れてしまうケース。「靴の背骨が折れるようなもの」というそれも代わりの金具によって補修可能だ。 「靴幅を広げる」対応も可能だが「中敷が滑ってつま先が細い先端に当たり、幅が狭いと感じている」というケースもあるそうで、滑らない革と交換して解決した例もあるとのこと。足の様子を見ながら対応してくれるそうだ。 「フラメンコシューズは長く大事にされるお客様が多く、履き慣れた頃に痛みも出てきます。何でも相談してみてください。『この靴の音が好きだから、どうしても修理したい』というお客様もいらっしゃって、色々と方法を考えながら提案しています。」と店長の佐々木さん。なんともありがたい言葉である。 佐々木さんはもちろん、スタッフの小野さん、永本さんもフラメンコシューズの対応に詳しく「どんなことでもご相談ください。」と心強い。また、他の六本木や日比谷の支店も同様にスタッフが対応可能とのこと。 日頃のケアとして大事なことは「できれば木製のシューキーパーを使うこと。」だそう。「汗などの湿気を吸収し、靴を元の形状に戻します。使い込んで皺になった部分が乾燥し、『破れ』の原因にもなるので長持ちさせるためにもお勧めします。」と佐々木さん。また保管する際、食品の乾燥剤を入れることはNG。乾燥が早過ぎて逆にダメージを与えてしまうそうだ。 「頼りになる相談相手」が見つかった気分である。「これは!」と思った方はぜひ一度、ご相談を! −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− REPAIR SHOP EARTH(リペアショップ アース) http://1995.repairearth.com 〒150-0011 東京都渋谷区東3-25-5 グランドメゾン恵比寿東105 TEL:03-3280-6506 営業時間:平日・土日祝日 11:00~19:00 定休日:なし アクセス:JR山手線 恵比寿駅西口徒歩2分、日比谷線 恵比寿駅 2番出口から徒歩3分 (駒沢通り沿いに店舗があります。)
9世紀初頭、ある夜、羊飼いが星に導かれてキリストの弟子ヤコブの遺骨が納められていた洞窟を発見したのが始まりだった。 それは、最初は小さな祠みたいなものだったのかもしれない。 やがて、その場所に大聖堂が建てられ、キリスト教徒達は王侯貴族から平民に至るまでこぞってスペイン北西部のサンティアゴ・デ ・コンポステーラを目指すようになった。 12世紀に最盛期を迎えたサンティアゴ巡礼ブームはその後、紆余曲折あって、一旦は下火になったものの、20世紀終わりに、再び脚光を浴び始め、今では世界中からたくさんの巡礼者達がこの地を目指して歩くようになった。 全ての人に開かれ、信仰の種類も問われないサンティアゴ巡礼路は、バックパックを背負った人々の国際交流の場にもなっている。 現在の巡礼は決して命がけの旅ではないし、人々の信仰心も昔のように鮮明なものではなくなってしまった。 それでも、大きな荷物を背負って聖地を目指す彼らの姿を写真におさめる時、それが彼らの人生そのものに思える時がある。 朝日を背に受けながら歩き始め、やがて夕日が沈む西の地へ辿り着く「フランス人の道」。 それこそ、人間が生まれてから死を迎えるまでの長い旅路を暗示しているからだろう。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 近藤 佳奈 1973年三重県生まれ。埼玉県在住。美術学校卒業後、画家として活動。 2002年に創作活動を停止、その後、産業機器メーカーにてOAオペレータとして14年間勤務。 15年、ミラーレスカメラの購入をきっかけに写真を撮り始め、16年よりGARLOCHIのオフィシャルカメラマンとして本格的に活動を開始。 18年、19年、21年にスペインのサンティアゴ巡礼路“フランス人の道”と、聖地サンティアゴから更に西の海岸へ向かって歩く“フィステーラ、ムシアへの道”、合計約900キロを3回に分けて歩き進みながら、撮影を続ける。 ◆写真展情報◆ 2022年1月5日(水)〜17(月) ※火曜休館 最終日は14時までFUJI FILM Imaging Plaza 大阪ギャラリー 近藤佳奈写真展「ULTREIA」サンティアゴ巡礼2018〜2021
世田谷の経堂は、住宅地であり、学生の多い町でもある。農大通り商店街は人通りも多く飲食店の出店も多い。そんな町に一軒のスペインバルができて7年になる。名前は「トロンパ」。スペイン語のスラングで「よっぱらい」を意味するそうだ。 店内は、カウンターのみの立ち呑みスタイル。渡西した際、すっかりスペインバルに魅せられた店主の野村さん、自分の店で「スペインバルの魂」を再現したかったのだという。隣り合わせた客同士、ちょっとしたきっかけで声をかけやすいし、偶然聞こえてきた話に、応えることもできる。新しい出会いが生まれ、人と人がつながる。本来バルとは、人が集まり作る「場所」なのだろう。 もちろん、必要な人のために椅子の用意はあるのとのことなので、店主にこっそり声かけを。 料理はスペインバルで見かける、スタンダードなものばかり。野村さんは35歳で広告の世界から転職、都内のスペインレストランで修行し、スペインでは大好きなバルを食べ歩いたという。 「提供する料理の味がブレないよう、たまにスペインに行っては微調整している」という言葉通り、その味は私たちが思い描くスペインの味だ。どのタパスもおいしいが、一番人気は「マッシュルームの鉄板焼き」だそう。 人とのつながりを作るための工夫として、野村さんが実践していることに「メルマガ」がある。ホームページから会員登録をすると、店主のメルマガが送られてくる他、タパスのサービスなどを受けることができる、お楽しみ付きだ。このメルマガ、なかなかに読み応えがある。テーマは店主の日常から、スペインの話、経堂の町の話まで多種多彩。外出自体、機会が減らされているコロナ禍にあっては特に、そんな繋がりがありがたいと感じる。 店内には「ようこそ!パスポートの要らない東京のスペインへ」のキャッチフレーズが。言葉通り、経堂に「スペイン」を感じに出掛けてはいかがだろうか。
本誌読者にもファンの多い「小笠原伯爵邸」の登場である。昭和2年に小笠原長幹伯爵の本邸として建築された、スパニッシュ様式の屋敷を、東京都から借り受ける形で、現在のオーナーが修復、レストランとしてオープンした。 リクエストをすれば、優雅な屋敷の中を案内してもらうことができる。現存するエントランスやステンドグラスなどから当時の佇まいを想像するのも楽しいが、修復のための努力と苦労は、運営サイドの情熱そのものである。 例えばシガールームは、装飾や大理石の柱と床は当時のままに、収集した写真を元に、天井の色彩を配し、扉はスペインから取り寄せたという。また庭の大きなオリーブの木は後から植えられたものだが、邸の景観と調和している。 そんな邸内でいただく料理は、もちろんちょっと特別な日のためのスペイン料理である。料理長はゴンサロ・アルバレスさん。バルセロナの出身で、日本の食材を織り交ぜ、新しくて繊細、しかしながら時に大胆で、我々に楽しい食事の時間を提供してくれる。 お話を伺うと「日本の食材は大好き。素晴らしい。」とのことで、メニューには私達のよく知る季節の食材が登場する。が、彼らはいつの間にか渡西し、スペインの伝統や日常食す暖かな料理たちに触れ、さらには新たな色彩と鋭敏で豊かな味わいを獲得して、洗練された一皿となって帰ってくるのである。 例をあげれば「下仁田ネギのカルソッツロメスコソース」、「冬野菜と魚介のセビーチェ」など枚挙にいとまがない。ぜひその目で、口で、彼の繊細で鋭敏、しかしながら暖かな料理を味わっていただきたい。 さて、飲み物は、小笠原伯爵邸オリジナルのリオハ産のワインを選ぶも良し、屈指の量を誇る地下のワインセラーから特別な1本を選ぶのもまた良しである。 これまでも小笠原伯爵邸では様々なイベントが企画されてきたが、こちらも継続企画中である。ホームページなどで随時チェックしたい。また、バー&カフェも開設され、タパスやケーキなど新たな楽しみ方も加わった。 自分のために、家族や友人とともに、特別なひと時を過ごすために、訪れるのはいかがだろう。記憶に残る時間となること請け合いである。