この日は、世田谷アートタウン2022『三茶de大道芸』に出かける。たくさんの大道芸人が路上でパフォーマンスを行う無料イベントだ。大道芸というものは時の運、どこでどんなパフォーマンスを見られるかはわからないものだが、最近はタイムスケジュールがあって、コロナ対策のため、リストバンドで入場者の人数を管理するなど、工夫がされている。 お目当てはフラメンコ大道芸ユニット「オジロス」。「オジロス」とは「Los ojillos negros(黒い瞳)」の略。踊りの正木清香、NOBU(池森暢昌)、ギターの徳永康次郎、カンテの小松美保、ダニエル・リコらによるフラメンコの大道芸ユニットである。 会場はアーケードのある「ふれあい広場」。焼きそばやソーセージ、ビールなども売られていて、ちょっとしたお祭り気分。子供連れやカップル、年配の方も。いつものフラメンコライブの会場とは随分と雰囲気が違う。 大きな木の下でのパフォーマンス。出し物は「アレグリアス」に「ソレア」「セビジャーナス」など。私たちがよく知る流れである。周りの観客がどう見ているのか、感じているのかが気にかかる。終わったところで、オジロスに話をうかがった。 3年ほど前、ひょんなことから「ヘブンアーティスト」という文化振興を支援する団体に誘われて、参加することになったという。 「初めてフラメンコを見る人がほとんどなので、まずそこが違います。表現もちょっと大きくなるというか、ガツンと決めるとワッと湧いたりして、面白いですよ。」と正木さん。しかし演目はオーソドックスなフラメンコ。本質は変えることなく、初めて見る人に伝えたいとのことなのだ。 「音は空に飛んでいってしまうし、照明もないし、ギターもパワー系というか、メンタルで繋ぎ止める感じです(笑)。」とはギタリストの康次郎さん。カンテの小松さんも「お客さんとの距離が近い。話しかけてくれる方もいて新しい経験。」と大変ながら楽しそうである。 コンパネも音響装置も持っての移動、普段のライブと異なり、大変なことも多々あるが、大勢の人たちに、初めてフラメンコを届けることの楽しさが伝わってくる。 お手製の衣装で臨むNOBUさん、「僕は普段と変わらないけど」と笑っていたけれど、大空の下の白いスーツでのアレグリアスは眩しく、大道芸ならでは、と思ったのでありました。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−オジロス オジロスの詳しいスケジュールはオジロス ホームページでご確認を!https://losojillosnegros.wixsite.com/mysite-1 出演のご依頼など、お問い合わせはlosojillosnegros@gmail.com
ハモンの熟成には大きく分けて「塩漬け」「後塩漬け」「乾燥と熟成」「最終熟成」という4つの工程があります。 低温、高湿度の倉庫で豚肉を塩漬けにし、一度塩は洗い落とします。「後塩漬け」では、ハモンを吊るし各々の状態を見ながら更に塩漬け。ここまでで 40日間ほどかかります。 「乾燥と熟成」が最も重要な工程で、後々の味・アロマに影響します。やはり低温の倉庫で湿度を55〜85%に保ち、3カ月保存します。 「最終熟成」はセラーノならば最低7カ月間保管し、肉の重量が元の33%になったところで出荷されます。セラーノ・グランレセルバは15カ月、イベリコに至っては24カ月以上、最低重量が7キロになったところでやっと出荷されるという厳しい基準をクリアしているのです。 職人の知識や経験、そして膨大な手間をかけてそれぞれの味、アロマが決まっていきます。その土地の気候によってもハモンの味や風味に個性が出ます。そんなことに思いを巡らせながら、ぜひハモンを味わってみて下さい。 (OFC磯野智子)
表参道から青山通り沿いに、外苑方向に少し歩いたところに「sangria(サングリア)」がある。 階段を上がって扉を開けてもらうと、大きな白い噴水が目に飛び込んでくる。青山通り側の窓からの眺めと、噴水の水音、スペインタイルをあしらった調度などが、なんともスペインらしい雰囲気である。 sangriaは、その本店が静岡市の海の見える久能海岸沿いに有り、ほかにも静岡県内に2店舗を構えるグループである。本店は1975年創業というから、当初はスペイン料理の何たるかも認知される前であったろう。スペイン料理を広めたパイオニアであり、老舗であると言えるのだろうと思う。 さて、ここ青山店も今年で8年を迎える。「サングリアの味を全国の方に食べていただきたい。」との方針のもと、青山店も静岡サングリアの味を踏襲している。 一番のおすすめは、国際パエリアコンクール、スペイン大会で入賞を果たしたというパエリア。フィデア(パスタのパエリア)を含め、常時8種類を提供する。 また、グランドメニューは「海老のカタラン風」や「イカの墨煮」、肉料理なら「ガーリックチキン」が人気。海老もイカも、ソースが旨く、パンにつけて全て平らげたい。 我々は、誰と楽しむのか、どんなシチュエーションで利用するのかによって店を使い分けるという発想になるのであるが、この店はそのようなシチュエーションについても柔軟に対応可能。テーブル席の他に、4人から利用可能な個室、ゆったり過ごせるソファ席、2人で楽しむカウンター席、(カップル同士は仕切りで区切られている)があり、シチュエーション、人数で選ぶことができる。 青山店では、コロナ対応以前ではあるが、ギターのライブなども行われていたそう。また、本店ではフラメンコライブも開催されていたとか。海辺のフラメンコも良いなあと、静岡にも行ってみたいと思いを馳せつつ帰路に着いたのであった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− sangria 青山店 〒107-0061 東京都港区北青山3-5-14 青山鈴木硝子ビル2F 予約専用:TEL:03-3478-2001 東京メトロ銀座線・千代田線・半蔵門線 表参道駅A3出口 徒歩2分 営業時間 月〜木・日・祭日 11時〜22時(Lo.21時) 金・土 11時〜22時半(Lo.21時半) ※平日、土日祭日ランチコースは11時〜14時、以降は通常メニュー 定休日:12/31、1/1、1/2
グラナダなどで見かける、オレンジのサラダ。 スペインではバカラオ(干だら)を使いますが、手に入らないので生たらを使いました。 意外な組み合わせですが、オレンジとオリーブオイルの組み合わせが絶妙。爽やかなサラダです! ◆材料(2人分) オレンジ …… 2個 生たら …… 1切れ 玉ねぎ …… 1/4個 黒オリーブ(種抜き) ……10個 かたゆで卵 …… 2個 エクストラヴァージンオリーブオイル …… 大さじ3 塩 (できれば岩塩なと粒の荒いもの) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 作り方 1. 生タラは、強めに塩を振って2〜3時間冷蔵庫で寝かせ臭みを取ります。水分をキッチンペーパなどで拭いて、魚焼きグリル、またはフライパンで焼きます。 2. 玉ねぎは薄切りに。水にさらして辛味をとります。 3. ゆで卵は1/4のくし切りに。黒オリーブは半分にカットします。 4. オレンジは頭とお尻の部分をカット、側面の皮も厚めにむいて、輪切りに。中心の白くて硬い芯は除きます。 5. たらが焼き上がったら、皮と骨を除きほぐして冷まします。 6.輪切りのオレンジ、水気をきった玉ねぎとたらをのせ、黒オリーブを散らして、卵を飾ります。オリーブオイルをかけまわし、食べる直前によく混ぜて、お好みで塩で味を整えます。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− Point オレンジが甘くて爽やかなので、できれば岩塩など粒状の塩の方が、アクセントになって美味しいです。 こしょうやパプリカをかけてパンチを効かせてもGOOD!
スペイン人なら誰もが好きと言っても過言ではない生ハム。「ハモンセラーノ」と「ハモンイベリコ」の違いを少し。 ハモンセラーノは白豚で部位は前脚(肩)、熟成期間は7〜23カ月。飼料で育ち、スペイン全土の主に山岳地方で生産される。一方、ハモンイベリコは黒豚で部位は後脚。自然のどんぐりを食べて放牧で育てる。熟成期間はより長く8〜36カ月で産地はエストレマドゥーラ、サラマンカ、コルドバ、ウエルバなど。価格もセラーノに比べるとかなり高額。特にウエルバのハブーゴになると、スペイン国内でも一般庶民であればクリスマスなど特別な時季だけに食することが多い。 ハモンセラーノは食べやすく、イベリコのしっかりした上質の脂は癖になる。スペインに旅した時はぜひ色々なハモンを見つけて、味わってほしい。(OFC磯野智子)