La Viña(ラ・ヴィーニャ)とは葡萄畑の意味。月島の駅上にあるバルである。オーナーの河村さんがビルバオのLa Viña del Ensancheという老舗バルを訪れ、「こんなバルをやってみたい!」と思ったのが由来だそう。スペインのみならず各国の酒類が並んだカウンターや、アンティークのシャンデリアが重厚さを演出する。 そして何より印象深いのが、スタッフの蝶ネクタイ&ベストの正装。キリッとした男性スタッフで迎えられると、昔のバルは男性の社交場だったんだよな、なんてことに想いをはせる。「珍しいですね。」と私が述べると「いやあ、スペインでは普通そうですよ。」と。そういえば、マドリッドやバルセロナの老舗バルのスタッフは、髪に丁寧に櫛を入れ、パリッとしたシャツに蝶ネクタイで働いていたっけ。 そういう店の料理は、大抵美味しく、居心地も良かったが、La Viñaの料理もまた美味い。メニューもバルというよりはレストランとしてのラインナップである。前菜、焼き物、揚げ物も美味いが、生ハムもシンプルに美味い。パエリアやフィデウアも楽しめる。 これからはピンチョスにも力を入れるというから、それも楽しみだ。日本でタパス(小皿料理)は浸透したが、ピンチョス(串や楊枝でまとめた料理)はまだ馴染みがあるとは言い難い。スペインで見たそのバリエーションが食せるとしたら、嬉しいことこの上ない。 また、スペインワインのリストはもちろん豊富だが、シェリー酒がフルラインナップであるのは珍しい。その他、日本のウイスキーやスコッチウイスキー、ブランデーなどもあるのでワインが飲めない人でも大丈夫。個人的に次に試したいのはスペインのカクテル。ベルムーなど、あの店でみんなが飲んでたアレでしょ的な謎が解けそうだ。 もし訪れたなら、お店のスタッフやオーナーに気軽にぜひ声をかけてみて。美味い食事と酒と、楽しいスペイン談議に花が咲くこと間違いなし、の店なのである。 LA VIÑA(ラ ヴィーニャ) 〒104-0052 東京都中央区月島1-5-2 キャピタルゲートプレイス102電話:03-5859-0048https://bar-lavina.com/index.php営業時間:17:00〜24:00 Food. L.O. 23:00 Drink. L.O. 23:30定休日:毎週火曜日 第1・第3月曜総席数:24席 貸切可能人数:19名〜24名大江戸線、有楽町線 月島駅8A出口からすぐ。清澄通り沿い。
★Comentario セビジャーナスと並んでフラメンコに取り入れられ定着した曲種、それがファンダンゴ・デ・ウエルバだ。 ファンダンゴそのものは、もともとスペイン全土にたくさんのバリエーションを持つ民謡。「ファンダンゴ族」と称される民謡が各地に見られ、幾つかのものは地名を冠して呼ばれる。マラガの「マラゲーニャ」、グラナダの「グラナイーナ」、ロンダの「ロンデーニャ」と言えば、ピンと来る方もあるだろう。そうした民謡は往々にして踊りを伴う。スペインの民族舞踊は、男女が組になるパレハ(ペア)の踊りが主流。ファンダンゴ、ホタ、ボレロ、セギディーリャ、いずれもそうだ。カスタネットが用いられることも多く、踊りに華を添える。それらの民謡はやがて宮廷に届き、スペイン古典舞踊の一翼を担うに至った。 そうした中でファンダンゴ・デ・ウエルバは、特にアンダルシア西部ウエルバ地方の民謡を指す。ウエルバは、アンダルシア8県の中でいちばん西に位置し、決して華やかな県とは言えないながら、マリスマと呼ばれる湿地帯から山岳部まで起伏に富み、国内最大の聖母巡礼祭であるロシオ聖母の聖堂や、心優しい詩人と小さなロバの交流を描いた散文詩『プラテーロとわたし』などで知られる。そしてフラメンコ愛好家には最大の宝物、それが、数十種類あるとも言われるファンダンゴ・デ・ウエルバなのだ。
Vol.69 電子ブック Vol.69 PDF 【特集】目指せ! フラメンコ・ファッショニスタ2023【旬モノ】バイラオール 出水宏輝【カフェフラメンコ】 舞踊家 中村公美【濱田吾愛のFuente del Cante】ガロティン【エキスパートに質問】吉田光一【寄り道手帳】 マキーラトウキョウ【簡単レシピ】豚ロース肉のオレンジソース【エミリーちゃん】のんで踊って春祭りの巻【Pick Up】小島章司フラメンコ国際舞踊団公演『トダ・ウナ・ビダ ~一生涯~』in ヘレスフェスティバル【映画】『僕とママの“じゃない”ハネムーン』【CD CHECK】ROSARIO LA TREMENDITA「Fatum」◎ライブ情報◎ファルーカ コミュニティサロン◎プレゼント◎セレクトショップ
★Comentario タブラオの前身カフェ・カンタンテが流行した19世紀末から20世紀初頭、フラメンコ界にも新しい波が訪れた。ひとつは、ヒターノ(ジプシー)の専売特許だった市場に、非ヒターノの人びとが次つぎ参入したこと。もうひとつは、新たなレパートリーの広がりだ。その流行りに乗って時代の華となったのが、ガロティンだった。ユニークな曲種名の由来は今ひとつはっきりしない。農作業に使われた棍棒(garrote)の縮小辞で、聖ヨハネ祭に使われる拍子木がgarrotínと呼ばれたという説は、ガロティンのリフレインに“vera de San Juan(聖ヨハネ様のそばで)”というフレーズが多用されていることからも説得力がある。しかし実際踊りにその拍子木が使われるわけではない。由来は謎に包まれたままだ。 曲調は明るく野趣に富んだ4拍子。伸びやかな雰囲気は、どこかバグパイプの音色をも思わせる。ケルトの伝統を持つガリシア地方にルーツを持つといわれるのも、その辺りから来ているのだろう。一方、カタルーニャのヒターノが広めたとの説もある。それはコラムで述べるように、バルセロナ出身のカルメン・アマジャの演唱によるところが大きいだろう。いずれにせよ、チャーミングな味わいをたたえた曲種であることは間違いない。
マキーラ トウキョウは、赤羽の、賑やかな東口とは反対側、南口から数分の閑静な区画にある一軒家レストランである。 扉を開けると、広いオープンキッチンと、大きな木のカウンターからなる落ち着きのある空間が、私たちを出迎えてくれる。夜のコースは「お任せ」の1コースのみ。席に着くと、まずは料理に合うワイン選びから。シェフに相談しながらおすすめの1本を選ぶ。シェフは安斎怜さん、セビージャの「マキーラ」で修行を積んだ、気鋭のシェフである。 スープに始まり、サラダと前菜が2品、魚料理、肉料理、デザートが供されるが、どれもシェフの工夫が感じられる美しいコースだ。 「スペイン料理といえば、パエリアやアヒージョ、という日本の認識を変えたい、スペインの今を味わって、感じて欲しいんです。」と安斎さん。自ら感じたスペインに、東京の素材との出会いによって、新たな料理を創作するのが、マキーラ トウキョウである。 例えばサルモレホは、アンダルシアの定番スープだが、春菊とスナップエンドウのサラダのソースとして供されるのが新しい。魚の皿は、マグロにワカモレを添えて。フレッシュなアボガドと、香ばしく焼かれたロメスコスや菜の花の野菜たち、マグロの組み合わせが複雑に混じり合い、美味であった。 カウンターの向こうでは、シェフが料理をする様子がうかがえる。出来上がった料理についての説明や感想なども、同時進行的に、間断なくシェフと話をすることができる。「美味しい食事をして欲しいし、その話題で楽しい時間を過ごして欲しい」というのがこの店のコンセプトだ。 使う野菜等は「両親の畑で収穫したものです。」と説明を受けるものも多く、やはり、それは文句なしにうまい。野菜の種類や、調理法、組合せなどについても「驚いた!」「これはいいアイディア」などと、シェフとの話題もはずむ。 さて、カウンターなので少人数での利用に限るかというと、さにあらず。立食パーティや、貸し切りなどの利用についてもぜひ相談を、とのことである。また、子供連れでの訪問もぜひ申し出を。さらには、食事は他で済ませてしまった、という残念な大人たちのためには、バルとしての二次利用も企画中とのこと。まずは予約時に相談をするのが良さそうだ。 さて、我々はというと、3人でワイン1本をあけ、果てにはデザートワインまでいただき、美味しい料理と贅沢な時間に、大満足の一夜を過ごしたのでありました。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−マキーラ トウキョウ 東京都北区赤羽西1-17-1-10TEL:03-4283-7296営業時間 17:00~21:30(最終入店)定休日 火曜日最寄駅 赤羽(JR埼京線・京浜東北線・湘南新宿ライン・東北本線)予算 6,500円〜(チャージ300円)