ハモンの熟成には大きく分けて「塩漬け」「後塩漬け」「乾燥と熟成」「最終熟成」という4つの工程があります。 低温、高湿度の倉庫で豚肉を塩漬けにし、一度塩は洗い落とします。「後塩漬け」では、ハモンを吊るし各々の状態を見ながら更に塩漬け。ここまでで 40日間ほどかかります。 「乾燥と熟成」が最も重要な工程で、後々の味・アロマに影響します。やはり低温の倉庫で湿度を55〜85%に保ち、3カ月保存します。 「最終熟成」はセラーノならば最低7カ月間保管し、肉の重量が元の33%になったところで出荷されます。セラーノ・グランレセルバは15カ月、イベリコに至っては24カ月以上、最低重量が7キロになったところでやっと出荷されるという厳しい基準をクリアしているのです。 職人の知識や経験、そして膨大な手間をかけてそれぞれの味、アロマが決まっていきます。その土地の気候によってもハモンの味や風味に個性が出ます。そんなことに思いを巡らせながら、ぜひハモンを味わってみて下さい。 (OFC磯野智子)
スペイン人なら誰もが好きと言っても過言ではない生ハム。「ハモンセラーノ」と「ハモンイベリコ」の違いを少し。 ハモンセラーノは白豚で部位は前脚(肩)、熟成期間は7〜23カ月。飼料で育ち、スペイン全土の主に山岳地方で生産される。一方、ハモンイベリコは黒豚で部位は後脚。自然のどんぐりを食べて放牧で育てる。熟成期間はより長く8〜36カ月で産地はエストレマドゥーラ、サラマンカ、コルドバ、ウエルバなど。価格もセラーノに比べるとかなり高額。特にウエルバのハブーゴになると、スペイン国内でも一般庶民であればクリスマスなど特別な時季だけに食することが多い。 ハモンセラーノは食べやすく、イベリコのしっかりした上質の脂は癖になる。スペインに旅した時はぜひ色々なハモンを見つけて、味わってほしい。(OFC磯野智子)
スペインでは日本のようにお弁当を持参することは少ない。昔から、通常のランチ(almuerzoまたはcomida)は家でとる習慣があり、子どもがいる家庭では両親どちらか、または祖父、祖母などが迎えに行きランチを食べシエスタをとる。たまに親戚、友人などと一緒のランチはレストランでとることも多い。どちらの場合でもランチ前にバルでちょっと一杯しておしゃべり。さすがに大都会では会社と住まいが離れていることが多いせいか、仕事場の近くでゆっくりランチをとる光景が見られる。 時間をかけたランチ・シエスタ後、仕事に戻る。スペインのランチは13:30〜14:00頃から。ちなみに夕食は20:00〜21:00頃から始める。しかし、コロナ禍でデリバリーが主流になり、バルやレストランから人々が消えていることが残念。コロナが落ち着いたころまた以前の光景が見られることを期待している。(OFC磯野智子)
スペインでは、休暇は一箇所に滞在することが多い。 コロナ禍前までは海派・山派ともに毎年行く場所を決め、そこに短期長期のアパートを借りて滞在。 国内では、海はカタランのメノルカ(美しい海)、バスクのオンダリビア(美食の街)、ガリシアのリバデオ(絶景ビーチ)、カディスのチクラナ(海辺リゾート)、サンルーカル(シェリー酒の産地)、山ならピレネーオルデサ(ハイキング)、カスティージャ・イ・レオンのシエラ・デ・グレドス(トレッキング)、アラゴンのアルバラシン(天空の村)、シエラ・ネバダ(最南端スキー場)、アストゥリアスのピコス・デ・エウロパ国立公園(樫とブナの森林)などが人気。 スペインは国内に海山自然を楽しめる場所が豊富にあるので個々思いをはせる。 海外に行くならオランダ(近くて自転車で周ることができお手軽)、ハバナ(同じ言語、街並みの色彩)、ニューヨーク(イベント、アクティビティ)、メキシコ(同じ言語、馴染み深い)が人気だった。 今後移動が緩和されたら、どこが人気になるのだろうか。(OFC磯野智子)