【あなたの知らないスペイン】ハモンの作り方

2022.09.30

 ハモンの熟成には大きく分けて「塩漬け」「後塩漬け」「乾燥と熟成」「最終熟成」という4つの工程があります。
低温、高湿度の倉庫で豚肉を塩漬けにし、一度塩は洗い落とします。「後塩漬け」では、ハモンを吊るし各々の状態を見ながら更に塩漬け。ここまでで 40日間ほどかかります。
「乾燥と熟成」が最も重要な工程で、後々の味・アロマに影響します。やはり低温の倉庫で湿度を55〜85%に保ち、3カ月保存します。
「最終熟成」はセラーノならば最低7カ月間保管し、肉の重量が元の33%になったところで出荷されます。セラーノ・グランレセルバは15カ月、イベリコに至っては24カ月以上、最低重量が7キロになったところでやっと出荷されるという厳しい基準をクリアしているのです。
 職人の知識や経験、そして膨大な手間をかけてそれぞれの味、アロマが決まっていきます。その土地の気候によってもハモンの味や風味に個性が出ます。そんなことに思いを巡らせながら、ぜひハモンを味わってみて下さい。
(OFC磯野智子)